PLDDの特徴

当北青山Dクリニックは2000年開業時から日帰り手術を取り入れています。
現在も常に患者様のニーズに沿うよりよい治療がないかを模索し続けていますが、その中で広くみなさんがお悩みであったこの椎間版ヘルニアに対するレーザー治療に着目し、検証を行い、十分に導入が可能である下地もできたことから、2008年より実施を開始しました。以下に当クリニックが実施しているPLDD治療について解説致します。

PLDDの特徴

ヘルニア部分に針をさすだけという低侵襲性と日帰りで受けることができる手軽さでありながら、病態に対して根治的であるという意味で、保存的治療法である神経ブロックと内視鏡手術、全身麻酔下で行う手術の間に位置する治療法であると考えられます。治療方法の欄でも述べましたが、PLDDには以下のような特徴があります。

  • 日帰りOK
    日帰りで受けることができる治療である
  • 時間が短い
    治療時間が非常に短い
  • 傷口なし
    傷口が残らない(切開しない治療である)
  • 出血なし
    出血がほとんどない
  • 治療後の生活も安心
    治療後の日常生活を変えなくてもよい
  • 根本的治療
    椎間板ヘルニアに対する治療という点については根本的治療である
一方、問題点としては以下の様なものが挙げられます。
  • 全ての椎間版ヘルニアに対応できる治療ではない。(大型、脱出型には効果が得られにくい)
  • 実施施設が少ない。
  • 保険適応内治療ではない。
  • 効果を体感できるのに時間を要することがある。

どのような治療であっても100%の治療効果が得られるものはなく、リスクが全くないというものはありません。
ただ、内減圧治療特有の問題としてどうしても椎間板の外殻構造である線維輪の性状の影響を少なからず受けるため、治療効果が得られる可能性が外減圧法と比較すると下がってしまいます。この点が内視鏡手術やラブ法などとの治療との大きな違いだと考えられます。
つまり、どんなに内減圧がうまくいってもそれを取り囲む線維輪という構造が硬ければ、減圧の効果がしっかり得られず、症状の改善に結びつかない可能性があるということです。

まずは診察を受け、治療医と相談することが大切

PLDDは治療手技や治療戦略に習熟しないと十分な効果が得られにくい治療方法です。一般的な手術と比較すると時間も手間も患者さんの負担も少なく済む副作用の少ない治療であるがゆえに、症状の原因や術後の予測についてあまり検討せずに治療に向かっている傾向が強いように思います。

PLDD治療自体まだまだ検討の余地を残しています。治療手技、方針、機器の進歩など、様々な点で改善され、これからも改良が期待される発展途上の治療です。

事実、現時点では適応とは言えないものに対して治療を行うことになった場合でも穿刺や照射方法を工夫することによって効果が得られたという事例を多々経験しています。ただ、適応を外さないように治療をするのが原則ですので、病態を考えると効果が得られない可能性が相当高いのではないかと考えられるものについては、当院では治療をお勧めすることはありません。

蓄積された治療の経験は医師によって非常に様々です。したがって、PLDD治療に限らず何かの治療を受けようと思ったらどこの診療施設であろうと、まず受診してみて医師に直接いろいろと尋ねてみることをお勧めします。治療の適応を決める基準はどの疾患にもある程度存在しますが、絶対の基準というものはそのほとんどで存在しません。医師も人の子ですので全ての医師が全く同じ判断をするかというと、残念ながら現実的にはそうではありません。従って、しっかり話を聞いてみる、質問してみるということが大切になると思います。

PLDDは比較的合併症が少なく、短時間の日帰りで行うことができる治療のため、PLDDを強く希望される方が多く、「効果が得られにくいタイプのものだろうと思う」とお話しても強い希望に沿う形で治療を行うこともあります。治療を任されれば全力を尽くしますが、やはり読み通りになることも少なくありません。こうした場合に後悔しないためにも治療医と病状、その後の経過予想、その他の治療法について話し合っておくことが最良の方法なのではないかと思います。

椎間板ヘルニアを生じた背景にはやはりご自身の問題がかなりの部分で存在します。治療さえ受ければ全てが解決されるというのはちょっと早計かもしれません。今後、何を改善しないといけないのか、他の治療方法との比較はどうかなどについて、嫌がられても御自身の知りたい情報は予め確認しておくことが、治療を受け良い結果をもたらすもっとも確かな方法だと思います。